令和5年度 汚水処理特論 問1は、向流多段洗浄の理論式に数値を当てはめて、必要な最低段数を求める計算問題です。適切なものを選びます。
向流多段洗浄は、洗浄水を製品の流れと逆向きに送って、少ない水で効率よく不純物を洗い落とす方式です。段ごとに洗浄水量と製品の持ち出し水量の比 r で薄まり方が決まり、段数 n を増やすほど不純物は急激に減ります。核心は、与えられた理論式に r と「洗浄前の1/10000以下にしたい」という条件を入れて、その条件を初めて満たすn を見つけることです。r の累乗が一気に大きくなるので、段数は意外に少なくて済みます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 2段では薄まりが足りず、1/10000以下に届きません。 |
| (2) | ○(正しい) | 3段で条件を初めて満たします。これが最低段数で、正解です。 |
| (3) | ×(誤り) | 4段でも条件は満たしますが、最低段数を問われているので過剰です。 |
| (4) | ×(誤り) | 5段は必要以上で、最低段数ではありません。 |
| (5) | ×(誤り) | 10段は大幅に過剰で、最低段数ではありません。 |
理論式は a0/an=(r^(n+1)−1)/(r−1) です。求めたいのは「不純物を洗浄前の1/10000以下にする」ことなので、an/a0 ≤ 1/10000、つまり a0/an ≥ 10000 となる最小の n を探します。r=50 を代入すると、a0/an=(50^(n+1)−1)/49 です。これが10000以上になればよいので、50^(n+1)−1 ≥ 490000、すなわち 50^(n+1) ≥ 490001 を満たす n を求めます。50^3=125000 では足りず、50^4=6,250,000 で初めて条件を超えます。したがって n+1=4、つまり n=3段。よって最低段数は選択肢(2)です。
向流多段洗浄で段数を増やすと、不純物の残り方はどうなる?
段数が増えるほど急激に減ります。各段で水量比 r だけ薄まるため、効き目はべき乗で積み重なります。
「最低いくつにすればよいか」という問いで気をつけることは?
条件を満たす中で最も小さい段数を選びます。条件を満たす段数は複数あっても、最低を超える値は不正解になります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月