令和5年度 汚水処理特論 問18は、加圧浮上装置の維持管理に関する問題です。調整・監視する項目として該当しないものを選びます。
加圧浮上は、水に高い圧力で空気を溶かし込み、減圧して微細な気泡を発生させ、その気泡をフロックに付着させて浮かせ、表面のスカムとして除去する分離法です。維持管理で見るべきなのは、空気をきちんと溶かして微細な気泡をつくれているか、その気泡がフロックに付いて浮上が安定しているか、という一連の流れです。引っかけの核心は、装置が見るのは「溶け込んだ空気の量や気泡の状態」であって、空気中の酸素濃度そのものを調整・監視するわけではないという点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(該当しない記述)
| 選択肢 | 該当 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(該当する) | 加圧水ポンプの流量と圧力は、空気の溶解量と気泡の発生に直結するため、調整・監視の対象になります。 |
| (2) | ×(該当しない) | 見るのは溶け込んだ空気の量や気泡の状態であり、溶解させる空気中の酸素濃度を調整・監視する項目とした点が該当しません。 |
| (3) | ○(該当する) | 空気溶解槽内の気液界面の高さは、空気の溶け込み具合を左右するため監視対象です。 |
| (4) | ○(該当する) | 加圧水の吹き出し状態や微細気泡の発生状況は、浮上の良否を直接決めるため監視します。 |
| (5) | ○(該当する) | フロックへの気泡の付着状態や浮上性スカムの安定性は、分離性能そのものなので確認します。 |
加圧浮上で効いてくるのは、水に空気を「どれだけ溶かし込めたか」と、減圧したときに「細かい気泡を均一に出せているか」です。溶ける空気の量は圧力と水温で決まり、運転側が直接いじるのは加圧水ポンプの圧力や流量、空気溶解槽の界面の高さなどです。これに対し、溶解させる空気中の酸素濃度を監視・調整するという発想は、浮上分離の維持管理項目にはなじみません。浮上に使うのは空気の物理的な気泡であって、酸素という特定成分の濃度を測って制御しているわけではないためです。「酸素濃度」という、いかにももっともらしい言葉で混ぜ込んだ引っかけです。
加圧浮上で、気泡を発生させるために運転側が直接調整するのは何?
加圧水ポンプの圧力と流量などです。空気を溶かす圧力や水量を整えることで、減圧時に微細な気泡が安定して発生します。
加圧浮上の維持管理で「空気中の酸素濃度」は調整・監視項目になる?
なりません。浮上は空気の気泡を物理的に使う方法で、酸素という特定成分の濃度を測って制御しているわけではないためです。
この問題に関連する用語解説
出典
※ この記事の確認日:2026年6月