令和7年度 大気特論 問1は、気体燃料の高発熱量と低発熱量の差に関する問題です。差(MJ/m3N)が等しくなる燃料の組合せを選びます。
高発熱量と低発熱量の差は、燃焼でできた水蒸気が液体の水に戻るときに出る凝縮熱の分です。つまり差の大きさは「その燃料を燃やしたときに生じる水(H2O)の量」だけで決まります。同じ体積(同じモル数)の気体燃料で比べるなら、差は燃料分子1個に含まれる水素の数、言い換えれば1分子から生じる水のモル数に比例します。各燃料を1molずつ燃やしてできる水の数を数えると、水素は1、メタンは2、エタンは3、プロパンは4、ジメチルエーテル(CH3)2O は分子内の水素が6個なので3となります。生成する水の数が等しい組合せを探すのが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 水素は水1モル、メタンは水2モル。生じる水の数が異なるので差は等しくなりません。 |
| (2) | ×(誤り) | メタンは水2モル、エタンは水3モル。水の数が違うため差も異なります。 |
| (3) | ×(誤り) | エタンは水3モル、プロパンは水4モル。プロパンの方が大きくなります。 |
| (4) | ○(正しい) | エタン(C2H6)もジメチルエーテル(C2H6O)も水素は6個=水3モルを生じ、差が等しくなります。 |
| (5) | ×(誤り) | プロパンは水4モル、ジメチルエーテルは水3モル。プロパンの方が大きくなります。 |
高発熱量から低発熱量を引いた差は、生成した水蒸気の凝縮熱に等しく、燃料1molあたり生じる水のモル数に比例します。水のモル数は、燃料分子に含まれる水素原子数の半分です。エタン C2H6 は水素6個で水3mol、ジメチルエーテルは分子式(CH3)2O=C2H6O でやはり水素6個ですからどちらも水3molを生じます。酸素が分子内にあっても水素の数は変わらないため、両者の発熱量の差は等しくなります。炭素や酸素の数ではなく、水素の数だけを数えるのがこの問題のコツです。
高発熱量と低発熱量の差は、何によって決まる?
燃焼で生じた水蒸気の凝縮熱です。つまり生成する水のモル数(=燃料分子中の水素原子数の半分)で決まります。
エタンとジメチルエーテルで発熱量の差が等しくなるのはなぜ?
どちらも分子中に水素を6個もち、燃やすと水3molを生じるためです。酸素が分子内にあっても水素の数は同じです。
この問題に関連する用語解説
出典
※ この記事の確認日:2026年6月