PRTR、名前は聞くけど結局どんな制度?何を届け出るの?で止まっていませんか。化管法のしくみと、試験で何が問われるかを整理します。
この記事の要点
PRTR制度とは、化管法にもとづき、事業者が対象の化学物質を環境へどれだけ排出したか・廃棄物などとして外へ移動させたかを自ら把握し、国に届け出るしくみです。
国はこれを集計・公表します。目的は、化学物質の自主的な管理の改善と、環境保全上の支障の未然防止です。
届出排出量は、トルエン・キシレンなどの溶剤系の物質が多くなります。
工場などからは、法律で濃度を規制された物質のほかにも、さまざまな化学物質が環境へ出ています。
これらを「どの物質が・どれだけ・どこへ」出ているかを見える化するのがPRTRです。
制度のしくみと、試験で問われる排出量の傾向を見ていきます。
PRTR制度とは、対象の化学物質について、事業者が環境への排出量と外への移動量を自ら把握し、国に届け出る制度です。
正式には化学物質排出移動量届出制度といい、化管法(化学物質排出把握管理促進法)にもとづきます。
届け出る量は、大きく2種類あります。
対象は、人の健康や生態系に影響を及ぼすおそれがある第一種指定化学物質です。
PRTRは、事業者の自己把握を出発点に、国が集計・公表する流れです。
事業者が排出量・移動量を把握 → 都道府県経由で届出 → 国が集計・公表。見える化で自主管理を促す。
なお化管法には、PRTRのほかにSDS(安全データシート)制度もあります。対象化学物質を他社に譲渡・提供するとき、その性状や取扱いの情報を文書で提供するしくみです。
PRTRの届出排出量は、塗料・溶剤などに使われる揮発性の物質が上位を占めます。
全体ではトルエンが最も多く、続いてキシレンなどのVOC(揮発性有機化合物)が多くなります。
PRTRは、公害総論で、制度のしくみや届出排出量の多い物質として問われます。
令和3年度 公害総論 問14では、PRTRの届出排出量が最も多い物質が問われました。ベンゼン・キシレン・エチルベンゼン・ノルマルヘキサン・ジクロロメタンの中ではキシレンが最多で、PRTR全体の1位はトルエン(この問題の選択肢にはなし)でした。
「PRTR=排出量・移動量を事業者が把握して届出」「排出量はトルエン・キシレン等のVOCが多い」を押さえておきます。
PRTR制度で届け出る2種類の量は何か。
答え:排出量(環境への排出)と移動量(廃棄物・下水としての移動)
事業者がこれらを自ら把握して国に届け出ます。
PRTRの届出排出量で、全体で最も多い物質は何か。
答え:トルエン
キシレンなどの溶剤系VOCが続きます。令和3年度 公害総論 問14では、選択肢の中ではキシレンが最多でした。
化管法には、PRTRのほかに、化学物質を譲渡するときその性状・取扱情報を提供する制度がある。何という制度か。
答え:SDS(安全データシート)制度
対象化学物質を他社へ譲渡・提供するとき、性状や取扱いの情報を文書で提供します。
PRTR制度は、化管法にもとづき、事業者が化学物質の環境への排出量・外への移動量を自ら把握して国に届け出るしくみです。
国が集計・公表することで、化学物質の自主的な管理の改善と、環境保全上の支障の未然防止を図ります。
届出排出量はトルエン・キシレンなどのVOCが多くなります。化管法にはSDS制度もあわせて定められています。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
届出排出量で「最も多い物質」を問うとき、選択肢にトルエンを入れず最多を取り違えさせる引っかけが狙われます。
PRTR全体の届出排出量1位はトルエンで、令和3年度 公害総論 問14の5択(ベンゼン・キシレン・エチルベンゼン・ノルマルヘキサン・ジクロロメタン)の中ではキシレンが最多でした。