サカマキガイやカワゲラ…どの生き物がきれいな水で、どれが汚れた水のサインなのかで迷いませんか。指標生物と水質階級を整理します。
この記事の要点
指標生物とは、そこにすむ水生生物の種類から、水のきれいさ(水質階級)を判定するための目印になる生き物です。
化学分析と違い、ある程度の期間にわたる水質の状態を反映するのが特徴です。
川の水がきれいかどうかは、薬品で測るだけでなく、そこにすむ生き物からも分かります。
汚れに強い生き物・弱い生き物の種類を見れば、その水のきれいさが推定できるからです。
この考え方が、指標生物と水質階級です。
指標生物とは、そこにいるかどうかで水のきれいさを判定できる、目印となる水生生物です。
水のきれいさは、汚れの程度によって水質階級に分けられます。きれいな順に、貧腐水性(きれい)→ β中腐水性 → α中腐水性 → 強腐水性(とても汚い)のように段階があります。
それぞれの階級には、すみやすい生き物(指標生物)が対応します。
水質階級と、代表的な指標生物を表にまとめます。
| 水のきれいさ | 代表的な指標生物 |
|---|---|
| きれいな水(貧腐水性) | カワゲラ類、ヒラタカゲロウ類、サワガニ、ヘビトンボ など |
| 少し汚れた水 | カワニナ、ゲンジボタル(幼虫)、コオニヤンマ など |
| 汚れた水(腐水性) | サカマキガイ、イトミミズ、赤いユスリカ(幼虫) など |
とくにサカマキガイは、汚れた水(腐水性)の代表的な指標生物です。きれいな水のサインではない点に注意します。
水のきれいさに応じてすむ生き物が変わる。カワゲラ類はきれいな水、サカマキガイは汚れた水のサイン。
BODやCODのような化学分析は、採水したその時点の水質をピンポイントで測ります。
一方、指標生物による判定は、そこにすみ続けている生き物が反映する、ある程度の期間にわたる水質の状態をとらえられます。
採水のタイミングで見落とすような汚れも、生き物の顔ぶれに表れることがあります。
指標生物は、水質概論で、水質階級と生き物の対応として問われます。
令和4年度 水質概論 問8では、サカマキガイが汚濁の進んだ水域の指標生物であることが問われ、「きれいな水(貧腐水性)に生息する」とするのが誤りでした(きれいな水にはカワゲラ類などがすみます)。
「サカマキガイ=汚れた水」「カワゲラ類=きれいな水」という対応を押さえておきます。
サカマキガイは、きれいな水と汚れた水のどちらの指標生物か。
答え:汚れた水(腐水性)
きれいな水(貧腐水性)にはカワゲラ類などがすみます。サカマキガイを「きれいな水の指標」とするのは誤りです。
指標生物による水質判定は、化学分析(BOD等)と比べてどんな点が特徴か。
答え:ある程度の期間にわたる水質の状態を反映できる
化学分析は採水時点のピンポイントの水質、指標生物はそこにすみ続ける生き物が反映する期間の水質をとらえます。
きれいな水(貧腐水性)の指標生物の例を1つ挙げよ。
答え:カワゲラ類(ほかにヒラタカゲロウ類、サワガニ など)
汚れた水にはサカマキガイ・イトミミズ・赤いユスリカなどがすみます。
指標生物は、そこにすむ生き物から水のきれいさ(水質階級)を判定するための目印です。
きれいな水(貧腐水性)にはカワゲラ類など、汚れた水(腐水性)にはサカマキガイなどがすみます。
化学分析と違い、ある程度の期間の水質を反映します。サカマキガイ=汚れた水のサイン、を取り違えないようにしましょう。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
指標生物がどの水質階級に対応するかが、きれい・汚れを逆にして狙われます。
サカマキガイは汚濁の進んだ水域の指標生物であり、「きれいな水(貧腐水性)に生息する」とするのが誤りでした(きれいな水にはカワゲラ類などがすむ。令和4年度 水質概論 問8)。