令和5年度 大規模大気特論 問3は、安定層や逆転層に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
逆転層とは、ふつう上空ほど下がる気温が逆に高さとともに上がる層で、強い安定状態になり煙が上下に広がりにくくなります。発生の仕方で名前が分かれ、晴れた微風の夜に地面が放射で冷えてできるものを接地逆転層(放射性逆転層)、谷間や盆地に冷気がたまってできるものを地形性逆転層、暖かい空気が冷たい海上を流れてできるものを移流(海陸風)に伴う安定層などと呼びます。引っかけの核心は、晴れた夜の放射冷却で生じる逆転層の呼び名と発生メカニズムの対応です。地面が冷えて「接地」する性質と「放射性」という別の呼び名がすり替えられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 晴れた微風の夜に放射冷却で生じる逆転層を「放射性逆転層」と呼ぶとする点が論点です。地面が冷えて下層からできるこの逆転層は接地逆転層であり、放射性逆転層という名称の当て方が誤りとされています。 |
| (2) | ○(正しい) | 逆転層の中は強い安定状態で、拡散速度が遅くなります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 地面の冷却でできる接地逆転層の厚さは、普通は200m以下とされます。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 谷間や盆地に冷気がたまって生じる逆転を地形性逆転層と呼びます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 滑らかで冷たい海上を吹く風は下から冷やされ安定層を作り、乱れが小さくなります。正しい記述です。 |
晴れて風の弱い夜は、地面が宇宙へ熱を逃がす放射冷却で急速に冷え、地表に接した空気から冷やされていきます。すると下層ほど気温が低く上層ほど高い逆転が地表から立ち上がり、これを接地逆転層と呼びます。選択肢(1)は、この夜間の放射冷却による逆転層を「放射性逆転層」という名前で呼んでおり、地面に接して下からできるという性質を表す「接地」の名称との対応が崩れている点が誤りとされています。発生原因(放射冷却)と層の呼び名(接地逆転層)を結びつけて覚えておくと取り違えを防げます。
晴れた微風の夜、放射冷却で地面付近にできる逆転層を何と呼ぶ?
接地逆転層です。地面が放射で冷え、地表に接した下層から逆転が立ち上がります。
谷間や盆地に冷気がたまってできる逆転層は何と呼ぶ?
地形性逆転層です。地形によって冷気が低い場所にたまることで生じます。
この問題に関連する用語解説
出典
※ この記事の確認日:2026年6月