令和5年度 汚水処理特論 問22は、BOD試験における溶存酸素の定量に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
溶存酸素(DO)の定量には、よう素滴定法(標準法)、ミラー変法、隔膜電極法、光学式センサ法などがあります。それぞれの原理や測定方式を取り違えていないかが問われます。引っかけの核心は隔膜電極法の方式です。隔膜電極法は電気化学的に酸素を測る方法で、ガルバニ電池方式とポーラログラフ方式に分かれます。ここに、気体の赤外吸収を測る別系統の「非分散型赤外線方式」を混ぜ込んでいる点が誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | よう素滴定法は標準的な定量法ですが、酸化還元性物質・懸濁物・着色物質の影響を受けやすい点も正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | よう素滴定法では硫酸マンガン(II)とアルカリ性よう化カリウム溶液を加え、溶存酸素と反応させます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | ミラー変法は、アルカリ性・酒石酸塩の存在下で溶存酸素が鉄(II)を鉄(III)に酸化する反応を利用します。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 隔膜電極法の方式を「ガルバニ電池方式と非分散型赤外線方式」とした点が誤りです。後者はポーラログラフ方式が正しい組合せです。 |
| (5) | ○(正しい) | 光学式センサ法は、蛍光・りん光物質を塗ったセンサキャップと励起光源・光検出部からなる光学式センサで測ります。正しい記述です。 |
隔膜電極法は、酸素だけを通す膜の内側で電気化学反応を起こし、その電流などから溶存酸素を測る方法です。電気化学的な検出方式としてガルバニ電池方式とポーラログラフ方式の2つがあります。これに対し、選択肢(4)が挙げる「非分散型赤外線方式」は、気体成分の赤外吸収を測る別系統の手法で、溶存酸素の隔膜電極法には当てはまりません。本来「ポーラログラフ方式」と並ぶべきところに、まったく違う原理の方式名をすり替えた引っかけです。
隔膜電極法の2つの方式は何と何?
ガルバニ電池方式とポーラログラフ方式です。いずれも膜を通した酸素を電気化学的に検出します。「非分散型赤外線方式」は含まれません。
溶存酸素定量の標準法であるよう素滴定法が苦手とするのは?
酸化還元性物質・懸濁物・着色物質です。これらが共存すると干渉を受けやすいのが欠点です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月