令和6年度 汚水処理特論 問12は、標準活性汚泥法の返送汚泥率を求める計算問題です。与えられた負荷と返送汚泥濃度から、正しい値を選びます。
返送汚泥率は、沈殿池でいったん沈めた汚泥のうち、どれだけの割合を曝気槽へ戻すかを表す運転条件です。この問題はいきなり返送汚泥率を聞いていますが、橋渡しになるのが曝気槽のMLSS濃度です。BOD容積負荷をBOD汚泥負荷で割るとMLSS濃度が出るので、まずそれを求め、次に曝気槽へ入る汚泥(流入水のSSは無視)と返送汚泥の物質収支から返送汚泥率を導きます。流入SSを無視できる点が計算を単純にする鍵です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 0.2は小さすぎます。MLSS 2000 mg/Lを保つには返送割合がもっと必要です。 |
| (2) | ×(誤り) | 0.3では戻す汚泥が足りず、曝気槽のMLSSが2000 mg/Lに届きません。 |
| (3) | ○(正しい) | MLSSは2000 mg/L、返送汚泥は7000 mg/L。物質収支から返送汚泥率は0.4と求まります。 |
| (4) | ×(誤り) | 0.5では返送しすぎで、MLSSが2000 mg/Lを上回ってしまいます。 |
| (5) | ×(誤り) | 0.6も過大です。返送割合が大きいほど曝気槽のMLSSは高くなります。 |
まず曝気槽のMLSS濃度を求めます。MLSS濃度=BOD容積負荷÷BOD汚泥負荷なので、
MLSS=0.6÷0.3=2.0 kg/m3=2000 mg/L
次に、流入水のSSは無視できるので、曝気槽のMLSSは「戻ってきた返送汚泥が薄まった濃度」と考えます。返送汚泥率を r とすると、流入水(流量1)と返送汚泥(流量 r)が混ざるので物質収支は次のとおりです。
MLSS×(1+r)=返送汚泥濃度×r
2000×(1+r)=7000×r
これを解くと、2000+2000r=7000r → 2000=5000r → r=0.4。よって返送汚泥率は0.4で、選択肢(3)が正解です。
BOD容積負荷とBOD汚泥負荷から、まず何が求まる?
曝気槽のMLSS濃度です。MLSS=容積負荷÷汚泥負荷。今回は0.6÷0.3=2.0 kg/m3=2000 mg/Lとなります。
MLSS 2000 mg/L、返送汚泥 7000 mg/Lのとき返送汚泥率は?
物質収支 MLSS×(1+r)=返送濃度×r より、r=2000/(7000-2000)=0.4です。
この問題に関連する用語解説
出典
※ この記事の確認日:2026年6月