公害防止管理者 独学ノート

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令和5年度 公害防止管理者 大気特論 問10を解説|窒素酸化物の生成

令和5年度 大気特論 問10は、燃焼で生成される窒素酸化物(NOx)に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

燃焼で生じるNOxは、空気中の窒素が高温で酸化するサーマルNOx、燃料中の窒素分(N分)に由来するフューエルNOx、火炎中の炭化水素ラジカルが関与するプロンプトNOxの3つの生成経路で整理します。それぞれ「何を窒素源とし、どんな条件で出るか」を押さえることがカギです。この問題の分かれ目は、プロンプトNOxの生成過程でシアン化物(HCNなど)が中間生成物として現れるという点で、燃料にN分が無くても火炎中の窒素(空気由来)からシアン化物が生じうることに気づけるかどうかです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)通常の燃焼では生成するNOxの大半がNOで、NO2がNOを上回ることはありません。排出時はNO主体という正しい記述です。
(2)○(正しい)燃料中のN分が燃焼領域で分解し、N2になる分とフューエルNOxになる分に分かれます。フューエルNOxの生成過程として正しい記述です。
(3)○(正しい)燃料中N分がフューエルNOへ変換される割合はおよそ12〜50%の範囲とされます。全量がNOになるわけではないことを示す正しい記述です。
(4)○(正しい)プロンプトNOxは炭化水素ラジカルが空気中のN2に作用して生じる、炭化水素燃料の燃焼に特有の現象です。正しい記述です。
(5)×(誤り)N分を含まない炭化水素燃料でも、プロンプトNOx生成の過程で火炎中にシアン化物(HCNなど)が中間体として存在します。「存在しない」とした点が誤りです。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

プロンプトNOxは、火炎中の炭化水素ラジカル(CHなど)が空気中の窒素分子N2に攻撃をかけ、いったんシアン化水素HCNなどのシアン化物を経由してからNOへと変化していく生成経路です。つまりシアン化物は、燃料にN分が含まれているかどうかとは関係なく、空気由来の窒素から火炎中で生じる中間生成物です。選択肢(5)は「N分を含まない炭化水素燃料の燃焼では、火炎中にシアン化物は存在しない」と断じている点が誤りで、プロンプトNOxの反応機構を取り違えさせる引っかけになっています。

覚え方

  • NOxの窒素源は3経路=サーマル(空気のN2)・フューエル(燃料のN分)・プロンプト(炭化水素+空気のN2)。
  • プロンプトNOxはシアン化物(HCN)を経由。燃料にN分が無くても火炎中に出る。
  • 排出NOxはほぼNO主体。フューエルNOへの変換率は全量ではなく12〜50%程度。

理解度チェック

Q.

プロンプトNOxの生成過程で経由する中間生成物は何?

シアン化物(HCNなど)です。火炎中の炭化水素ラジカルが空気中のN2に作用し、いったんシアン化物を経てNOになります。

Q.

燃料にN分が含まれていなければ、火炎中にシアン化物は出ない?

出ることがあります。プロンプトNOxは空気中の窒素から生じるため、燃料のN分の有無に関わらず火炎中にシアン化物が現れます。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF

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