自由対流と強制対流、どっちが日射で、どっちが風だっけ?で迷いませんか。「自由=熱(日射)」「強制=風(地面の凸凹)」で分けると、混ざりません。
この記事の要点
大気の乱れ(煙を広げる風の乱れ)を生む対流には、2つの種類があります。
大気の下層では、煙を広げる「風の乱れ」が生じます。この乱れのもとになる対流には、熱による自由対流と、風(摩擦)による強制対流があります。
自由対流とは、日射などで暖められた地表面の上に生じる熱対流です。
暖まった空気が軽くなって上昇する(浮力による)動きなので、原動力は温度差(熱)です。よく晴れて日射が強く、風が弱いときに卓越します。自由対流による乱れは熱が原動力なので、風速に比例して増えるわけではありません。
強制対流とは、地表面の凸凹(地表面粗度)によって生じる風速の鉛直勾配(地面に近いほど風が遅い)から生まれる、機械的な乱れです。
原動力は風なので、風が強いほど強制対流が卓越します。強制対流が卓越する風速のもとでは、大気安定度は中立に近づき、気温減率は乾燥断熱減率に近づきます。このとき作られる中立層の厚さは、一般に数百メートル以下です。
自由対流は日射による浮力で上昇、強制対流は地面の凸凹による風の鉛直勾配で生じる。
自由対流・強制対流は、大規模大気特論で、発生のしくみの正誤として問われます。
令和7年度の大規模大気特論(問2)では、「自由対流は日射で暖められた地表面の熱対流」「強制対流は地表面粗度による風速の鉛直勾配で発生」「強制対流が卓越すると大気は中立に近づく」が正しい記述として並ぶなかで、「自由対流により発生する風の乱れは、風速に比例して増大する」とするのが誤りでした。自由対流は熱(浮力)が原動力で、風速に比例して増えるものではありません(風速に依存するのは強制対流)。
混同しやすい用語
自由対流 と 強制対流
原動力が「熱」か「風」かで分かれます。
自由対流は日射による熱(浮力)が原動力、強制対流は風(地表面粗度による鉛直勾配)が原動力です。
「自由=熱(日射)/強制=風(凸凹)」と覚えると、どちらが風速に依存するかも整理できます。
日射で暖められた地表面に生じる熱対流は、自由対流・強制対流のどちらか。
答え:自由対流
強制対流は、地表面の凸凹(粗度)による風速の鉛直勾配で生じる機械的な乱れです。
強制対流が卓越する風速下では、大気安定度はどうなるか。
答え:中立に近づく(気温減率は乾燥断熱減率に近づく)
風による混合が進み、安定でも不安定でもない中立に近づきます。
大気の乱れを生む対流は、原動力で2つに分かれます。
自由対流は日射で暖まった地表面の熱対流(浮力が原動力)、強制対流は地表面粗度による風速の鉛直勾配で生じる乱れ(風が原動力)です。強制対流が卓越すると大気は中立に近づきます。
「自由=熱/強制=風」と分けて、風速に依存するのは強制対流、と押さえます。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
どちらが何で発生するか、風速に依存するのはどちらかが狙われます。
自由対流は熱(日射・浮力)が原動力で、風速に比例しません。風速に依存して増えるのは強制対流です。強制対流が卓越すると大気は中立に近づく、もセットで押さえます。