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振動レベル(dB)と防振とは(揺れの大きさの表し方と、伝わりを断つ考え方)

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「振動レベル(dB)」って、騒音のdBと同じ感覚でいいのかで迷いませんか。振動も大きさをデシベルで表しますが、人の揺れの感じ方に合わせた補正が入っています。その意味と、揺れの伝わりを断つ「防振」の考え方までまとめて整理します。

この記事の要点

振動レベルは、地面や床の揺れの大きさをデシベル(dB)で表した値です。人が揺れをどれだけ強く感じるか(振動感覚)に合わせて重みづけしてあり、値が大きいほど揺れが強いと読みます。

押さえるポイントは次の3つです。

  • もとは振動の加速度の大きさ。それを振動感覚で補正したのが振動レベル
  • 感覚補正は鉛直方向(上下)と水平方向(横)で特性が違う
  • 防振=振動源と受け側の間にゴムやばねを入れ、揺れの伝わりを断つこと

工場の機械や建設作業が地面を揺らし、近所から「振動がひどい」と苦情が来る。これを数値で扱う物差しが振動レベルです。

音の大きさを表す騒音レベル(デシベルdB)とよく似た作りですが、対象は「音」ではなく「揺れ」です。

まず振動レベルが何を表す値かをそろえてから、揺れを抑える「防振」の考え方を見ていきます。

振動レベルとは(騒音・振動特論での意味)

振動レベルとは、振動の大きさ(加速度)を、人の振動感覚に合わせて補正し、デシベル(dB)で表した値です。

もとになるのは、地面や床がどれだけ激しく揺れているか、という加速度の大きさです。

この加速度を、基準の値と比べて対数(デシベル)に直したものが振動加速度レベルです。デシベルは小さい値から大きい値までを扱いやすくまとめる表し方で、これは騒音レベルのdBと同じ考え方です。

ただし、人が「揺れた」と感じる強さは、同じ加速度でも揺れの速さ(周波数)によって変わります。

そこで、人の感じ方(振動感覚)に合うように周波数ごとの重みづけ(振動感覚補正)をかけます。この補正をかけた振動加速度レベルが「振動レベル」です。

値が大きいほど、人が強く感じる揺れだ、と読みます。

感覚補正は鉛直方向と水平方向で違う

振動レベルでいちばん戸惑いやすいのが、この「方向によって補正が違う」という点です。

人は、上下に揺れる鉛直方向(縦揺れ)と、左右・前後に揺れる水平方向(横揺れ)とで、揺れの感じ方が違います。

そのため、振動感覚補正の特性も鉛直方向と水平方向で別々に決められています。

同じ加速度の揺れでも、補正のかかり方が方向で違うので、振動レベルの値も変わってきます。

振動加速度 レベル(dB) 鉛直方向の補正 (上下の揺れ) 水平方向の補正 (横の揺れ) 振動 レベル

振動加速度レベルに、方向に応じた振動感覚補正をかけたものが振動レベル。鉛直方向と水平方向で補正の特性が異なる。

振動規制法での規制(特定工場・特定建設作業)

この振動レベルを物差しにして、生活環境を守るために作られた法律が振動規制法です。

振動規制法は、工場や事業場のうち決められた施設を持つ特定工場等と、くい打ちなど決められた作業である特定建設作業などを主な規制の対象にしています。

規制の基準は、工場や作業場の敷地の境界線で測った振動レベルが、決められた値を超えないように定められます。

境界線で測るのは、外(隣地)にどれだけ揺れが漏れているかが、近所の生活への影響に直結するからです。

この振動規制法に基づく規制を実際に行う(地域の指定や勧告・命令などの)役割は、市町村長が担います。

防振とは(揺れの伝わりを断つ考え方)

揺れそのものを小さくしたいときに使うのが、防振という考え方です。

防振とは、振動源(機械など)と受け側(床・基礎)の間に防振ゴムや金属ばねなどの弾性体を入れ、揺れが受け側へ伝わるのを抑えることです。

機械を床に直に固定すると、機械の揺れがそのまま床・地面へ伝わってしまいます。

そこで機械の下にゴムやばねを敷くと、揺れがいったんゴム・ばねで受け止められ、受け側へ伝わる分が小さくなります。

どれだけ伝わるかの度合いを振動伝達率といい、防振がうまくいくほどこの値は小さくなります。

直に固定 機械 揺れがそのまま床へ 防振支持(ばね) 機械 伝わる揺れが小さい

機械を直に固定すると揺れがそのまま床へ伝わる。間にばね(や防振ゴム)を入れると、床へ伝わる揺れが小さくなる。

防振のかなめは、ばねやゴムをやわらかくして、その支持系の固有振動数(その物体が揺れやすい振動数)を、機械が出す加振振動数より十分に低くすることです。

加振振動数が固有振動数より十分高い領域に入ると、揺れが伝わりにくくなり、振動伝達率を1より小さく(伝わる揺れを元より小さく)できます。

やわらかい(固有振動数の低い)ばねほど防振に有利で、固有振動数を「高くする」と覚えるのは逆です。ここはよく取り違えるので注意します。

振動レベルと騒音レベルの違い

振動レベルと騒音レベルは、どちらもdBで表し、人の感覚に合わせて補正する点まで同じなので混同しがちです。

違いを表で整理します。

項目 振動レベル 騒音レベル
対象 揺れ(地面・床の振動) 音(空気の振動)
もとの物理量 振動の加速度 音圧
感覚補正 振動感覚補正(鉛直・水平で別) A特性(聴感補正)
関係する法律 振動規制法 騒音規制法
値の読み方 どちらも、値(dB)が大きいほど大きい・強い

「振動=揺れ・加速度・振動規制法」「騒音=音・音圧・騒音規制法」と、対になっている点をセットで押さえると混同しません。

混同しやすい用語

振動加速度レベル と 振動レベル

どちらもdBで表す振動の大きさのため混同します。元になる加速度の大きさをそのままdBにしたのが振動加速度レベル、それに人の感じ方の重みづけ(振動感覚補正)をかけたものが振動レベルです。

見分け方は「補正が入っているかどうか」です。生活への影響を見る規制では、人の感じ方を反映した振動レベルを使います。

まちがえやすいポイント

防振で、支持ばねの固有振動数を加振振動数より「高くする」と書いて逆に覚えさせる引っかけが狙われます。

やわらかい(固有振動数の低い)ばねほど防振に有利で、固有振動数を「高くする」とするのは逆で誤りです。固有振動数を加振振動数より十分低くすると揺れが伝わりにくくなります。

理解度チェック

Q.

振動レベル(dB)は、振動の何という物理量をもとに、何を加えてつくられた値か。

答え:振動の加速度をもとに、人の振動感覚補正を加えた値

加速度をdBにしたのが振動加速度レベル、それに振動感覚補正をかけたのが振動レベルです。値が大きいほど揺れが強いと読みます。

Q.

振動レベルの振動感覚補正は、鉛直方向でも水平方向でも同じ特性である。〇か×か。

答え:×

人の揺れの感じ方は上下(鉛直)と横(水平)で違うため、振動感覚補正の特性も方向ごとに別に決められています。

Q.

機械の振動を床へ伝えにくくする防振では、支持ばねの固有振動数を、機械の加振振動数より十分( )する。( )に入るのは「高く」か「低く」か。

答え:低く

やわらかいばねで固有振動数を加振振動数より十分低くすると、揺れが伝わりにくくなり振動伝達率を1より小さくできます。「高く」は逆なので誤りです。

まとめ

振動レベルは、地面や床の揺れの大きさを、人の振動感覚に合わせて補正してdBで表した値です。

もとは振動の加速度で、これに振動感覚補正(鉛直・水平で別)をかけたものが振動レベルです。値が大きいほど揺れが強く、振動規制法では敷地境界線の振動レベルで規制します。

防振は、振動源と受け側の間にゴムやばねを入れ、固有振動数を加振振動数より十分低くして、揺れの伝わり(振動伝達率)を抑える考え方です。

騒音レベル(デシベルdB)とは|対数で表す音の大きさ

参考

  • 振動規制法(e-Gov。特定工場等・特定建設作業の規制、敷地境界線での規制基準)
  • JIS C 1510 振動レベル計(振動加速度レベルと振動感覚補正、鉛直・水平方向)
  • 騒音・振動特論(一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験 公式PDF・出題範囲)
公害防止管理者 独学ノート 編集部

この記事を書いた人

公害防止管理者 独学ノート 編集部

公害防止管理者試験の用語・法令・計算を、e-Govの条文やJIS、過去問に照らして、独学者の目線で整理しています。

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