公害防止管理者 独学ノート

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令和6年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問1を解説|気温分布と断熱減率

令和6年度 大規模大気特論 問1は、低層大気の気温分布と断熱減率に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。乾いた冬の日の気温分布図と、下降した気塊が断熱的に昇温するようすを題材にしています。

この問題のポイント

空気のかたまり(気塊)が上下に動くとき、外と熱をやり取りしないまま圧力変化だけで温度が変わるのが断熱変化です。乾いた気塊が下がると圧縮されて温まり、その割合は乾燥断熱減率 γd(約9.8℃/100mあたり、すなわち約9.8℃/km)で一定です。一方、実際の大気そのものが高さとともに冷えていく割合(環境の気温減率)は、平均すると約6.5℃/kmとこれより小さく、両者は別物です。この問題の核心は、図の矢印の傾き(断熱減率)と、実線が示す環境の気温減率を取り違えさせる点にあります。環境の気温減率を「約9.8℃/km」と書いた選択肢が引っかけです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)下降する乾燥気塊の温度変化を表す矢印の傾きは、乾燥断熱減率γdの符号を反転した値になります。断熱変化の定義どおりの正しい記述です。
(2)×(誤り)約9.8℃/kmは乾燥断熱減率の値であって、実際の低層大気の平均的な気温減率(約6.5℃/km)ではありません。両者を取り違えた記述です。
(3)○(正しい)下方へ変位した気塊は周囲より温かくなり、温かい空気は密度が小さくなります。矢印の先端方向で密度が小さくなるのは正しい記述です。
(4)○(正しい)周囲より温度が高い気塊は浮力で上昇に転じます。元の位置へ戻ろうとする復元力が働くという正しい記述です。
(5)○(正しい)変位した気塊を元へ戻す反転力(復元力)が働く気温分布を、熱的に安定と呼びます。安定の定義として正しい記述です。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

約9.8℃/kmという数値は、乾いた気塊が断熱的に上下したときに温度が変わる割合、すなわち乾燥断熱減率γdそのものです。これは図の矢印の傾きを決める値であり、気塊の動きの基準線です。一方、実線で描かれた環境(まわりの大気)の気温減率は別の量で、低層大気では平均して約6.5℃/km程度とγdより小さくなります。選択肢(2)は、この環境の気温減率に断熱減率の値を当てはめており、「気塊の温度変化率」と「まわりの大気の冷え方」を取り違えたのが誤りの核心です。両者が一致するのは中立のときだけで、平均像としては一致しません。

覚え方

  • 乾燥断熱減率γd=矢印の傾き、環境の気温減率=実線の傾き。別物。
  • γdは約9.8℃/kmで一定、実際の平均的な気温減率は約6.5℃/kmでより小さい。
  • 変位した気塊を元へ戻す力が働く分布=熱的に安定。

理解度チェック

Q.

約9.8℃/kmという値は何を表す数値?

乾燥断熱減率γdです。乾いた気塊が断熱的に上下するときの温度変化の割合で、図では矢印の傾きにあたります。まわりの大気の平均的な気温減率(約6.5℃/km)とは別物です。

Q.

変位した気塊を元の位置へ戻す力が働く気温分布を何という?

熱的に安定な分布です。上下どちらに動いても周囲との温度差で復元力が働き、もとへ戻されます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF

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