「破過点」と「飽和点」って同じじゃないの?と迷いませんか。実は別物で、吸着剤を交換する目安になるのは破過点のほうです。違いをはっきりさせます。
この記事の要点
ガス吸着は、活性炭などの吸着剤の表面に、排ガス中の成分をくっつけて除去する方法です。使い続けると、やがて吸着剤が役目を終えます。
排ガス中の有害成分は、活性炭などの吸着剤の表面に集める(吸着する)ことでも除去できます。吸着剤を筒に詰めて、そこにガスを通す形が基本です。
吸着剤には限りがあるので、使い続けるとやがて吸着しきれなくなります。その「もうすぐ限界」を知らせるのが破過という考え方です。
吸着剤を詰めた層にガスを通すと、はじめは入口側でどんどん吸着され、出口にはほとんど出てきません。
ところが、入口側から吸着剤が埋まっていくと、吸着できる部分が出口側へ移っていき、やがて出口に被吸着物質が出てき始めます。これが破過です。
この、出口の被吸着物質の濃度が時間とともにどう増えるかを描いたものが破過曲線で、ゆるやかなS字を描きます。
破過曲線。破過点は出口に被吸着物質が現れ始める点、飽和点は出口濃度が入口濃度に達した点。両者は別。
ここが最大のポイントです。破過点と飽和点を混同しないようにします。
運転上で大事なのは破過点です。出口に有害物質が漏れ始める前に手を打つため、破過点を交換・再生のサインにします。
吸着では、ほかにも次の用語が一緒に問われます。
混同しやすい用語
破過点 と 飽和点
どちらも「吸着の限界」に関わりますが、タイミングが違います。
破過点は出口に出始める点(早い)。飽和点は出口濃度が入口濃度に達する点(遅い・完全に限界)。
交換・再生の目安にするのは早いほうの破過点です。「破過=出始め、飽和=入口濃度に追いつく」と覚えると取り違えません。
ガス吸着は、大気有害物質特論で、用語の定義の組合せとして問われます。
令和7年度の大気有害物質特論(問4)では、破過点を「充塡層出口の被吸着物質濃度が充塡層入口濃度に達した点」とするのは誤りでした。それは飽和点の説明です。破過点は、出口に被吸着物質が現れ始める点が正しい判断です。
破過点とは、どのような点か。飽和点との違いは。
答え:破過点=吸着層の出口に被吸着物質が現れ始める(許容濃度に達する)点。飽和点=出口濃度が入口濃度に達した点
破過点のほうが早く、交換・再生の目安に使います。飽和点は完全に吸着できなくなった状態です。
吸着等温線とは、何と何の関係を表したものか。
答え:一定温度における、ガスの濃度と、それと釣り合う吸着量との関係
「一定温度で」という条件がつくので等温線と呼ばれます。
ガス吸着は、吸着剤の表面に成分を集めて除く方法で、使い続けると破過します。
破過点は出口に被吸着物質が現れ始める点で、交換・再生の目安。飽和点は出口濃度が入口濃度に達した点で、両者は別物です。
破過点と飽和点の取り違えが定番の引っかけなので、「破過=出始め、飽和=入口濃度に追いつく」とセットで押さえておきます。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
破過点と飽和点の定義を入れ替えた記述が狙われます。
破過点を「充塡層出口の被吸着物質濃度が充塡層入口濃度に達した点」とするのは誤りで、それは飽和点の説明。破過点は出口に被吸着物質が現れ始める点です。