令和6年度 大規模大気特論 問3は、混合層の特性に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。日中の対流で発達する大気境界層のふるまいを問うています。
晴れた日中、地表が日射で暖められると、温まった空気が熱対流で立ちのぼり、地面付近の空気が上下によくかき混ぜられた層ができます。これが混合層で、その内部は対流で温位がほぼ一様になり、上端には逆転層(キャップ)がふたをするように形成されます。整理のカギは、混合層を発達させる原動力が日射による地表加熱だという点です。だから厚さの成長は日射が強い日中に進み、日がかげって熱対流が弱まると成長は止まって中立境界層へ移っていきます。引っかけは、この成長が「日没近くまで続く」と述べた選択肢です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 混合層の上端には逆転層が形成され、上へ広がる対流にふたをします。混合層上端の構造として正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 混合層の発達は日射による地表加熱が原動力です。加熱がピークを過ぎ熱対流が弱まると成長は止まり、日没近くまで成長を続けるわけではありません。 |
| (3) | ○(正しい) | 活発な熱対流でよくかき混ぜられるため、混合層の大半は温位がほぼ一様になります。混合層の名のとおりの正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 雲や夕暮れで日がかげり熱対流が弱まると、混合層は中立境界層へ移ります。原動力を失ったときの変化として正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 混合層が発達する晴れた日中は対流が活発で、鉛直方向の拡散幅が増大しやすくなります。拡散との関係として正しい記述です。 |
混合層を押し上げて厚くするのは地表面の加熱で生じる熱対流です。日射は正午前後に最も強く、午後は弱まっていきます。加熱の勢いが衰えれば対流もおとろえ、混合層の厚さの成長は日没を待たずに止まり、夕方には熱対流が弱まって中立境界層へと移っていきます。選択肢(2)は「日没近くまで成長を続ける」と、原動力が衰える時間帯まで成長が続くかのように書いたのが誤りです。発達の駆動源(日射加熱)と発達の継続時間を結びつけて考えるのがポイントです。
混合層を発達させる原動力は何?
日射による地表面の加熱で生じる熱対流です。これが弱まると厚さの成長は止まり、日没を待たずに発達は終わります。
混合層の上端にできる構造と、内部の温位の特徴は?
上端には逆転層が形成され、内部は活発な熱対流で温位がほぼ一様になります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月