公害防止統括者・公害防止管理者・主任管理者、似た名前が3つ出てきて役割や資格、選任の要件がごちゃごちゃになりませんか。3者の違いを整理します。
この記事の要点
一定規模以上の工場(特定工場)では、「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」により、公害防止の体制として複数の役職を置きます。
公害を出すおそれのある一定規模以上の工場では、責任の体制を法律で決めています。
その中心が、統括者・管理者・主任管理者の3つの役職です。
名前が似ていますが、役割も資格の要否も違います。順に見ていきます。
公害防止統括者とは、その工場の公害防止に関する業務を統括管理する責任者です。
工場の事業の実施を統括管理する立場の人(工場長クラス)が務めるため、国家試験などの資格は必要ありません。
選任が必要なのは、その事業者の常時使用する従業員の総数が21人以上の場合です(20人以下なら選任は不要)。
公害防止管理者とは、ばい煙発生施設や汚水等排出施設などについて、公害防止の技術的な事項を管理する者です。
排出される物質を測定したり、処理施設を適切に運転・維持したりといった、専門的な役目を担います。
そのため、国家試験に合格するか、資格認定講習を修了した有資格者でなければなりません。施設の種類・規模の区分ごとに選任します。
公害防止主任管理者とは、ばい煙と汚水の両方を排出するような大規模な工場で、統括者を補佐する者です。
統括者(資格不要の責任者)と、現場の管理者(有資格)の間に立ち、工場全体の公害防止を技術面でまとめます。
主任管理者も有資格者でなければなりません。
役割と資格の違いを表にまとめます。
| 役職 | 役割 | 資格 |
|---|---|---|
| 公害防止統括者 | 工場全体の公害防止を統括する責任者 | 不要(事業を統括管理する者を充てる) |
| 公害防止主任管理者 | 大規模工場で統括者を補佐する | 必要(有資格者) |
| 公害防止管理者 | ばい煙・汚水等を技術的に管理する | 必要(有資格者) |
体制を図でも押さえます。
統括者(資格不要の責任者)の下に、大規模工場では主任管理者、各施設に有資格の公害防止管理者が置かれる。
試験では、選任要件や届出期間、罰則の数字も問われます。主なものを押さえます。
これらの役職と数字は、公害総論で正誤問題として問われます。
令和6年度 公害総論 問4では、常時使用する従業員の総数が20人以下なら公害防止統括者の選任は不要で、これに例外はないのが正しく、「例外が定められている」とするのが誤りでした。
令和4年度 公害総論 問5では、解任命令に違反したときの罰則が問われ、正しくは50万円以下の罰金で、「20万円以下」とするのが誤りでした。
役職ごとの「資格の要否」と、選任・届出・罰則の数字をセットで押さえると、入れ替えの引っかけに対応できます。
公害防止統括者・公害防止管理者のうち、選任に資格(国家試験等)が必要なのはどちらか。
答え:公害防止管理者
管理者と主任管理者は有資格者である必要があります。統括者は工場の事業を統括管理する者を充てるため、資格は不要です。
公害防止統括者の選任が必要なのは、常時使用する従業員の総数が何人以上の事業者か。
答え:21人以上
20人以下なら選任は不要で、これに例外はありません。令和6年度 公害総論 問4の論点です。
公害防止統括者の選任を怠ったときや、解任命令に違反したときの罰則は?
答え:50万円以下の罰金
「20万円以下」とするのは誤りで、令和4年度 公害総論 問5の引っかけでした。
特定工場の公害防止体制は、統括者・管理者・主任管理者の3者で成り立ちます。
統括者は工場全体を統括する責任者で資格不要(21人以上で選任)、管理者はばい煙・汚水等を技術的に管理する有資格者、主任管理者は大規模工場で統括者を補佐する有資格者です。
選任を怠ったときや解任命令違反は50万円以下の罰金です。役職ごとの資格の要否と数字をセットで覚えましょう。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
罰則の金額を低い額に書き換える数字の入れ替えが狙われます。
選任を怠ったときや解任命令違反の罰則を「20万円以下」とするのは誤りで、正しくは50万円以下の罰金です(令和4年度 公害総論 問5)。