「特定施設」と「汚水等排出施設」、どっちがどっちの法律の言葉で、何が違うの?で混乱しませんか。2つの関係を整理します。
この記事の要点
つまり汚水等排出施設は、特定施設の一部で、管理者の選任が必要になる施設です。
水質の法律では、施設を表す言葉が2つ出てきます。
1つは排水を規制するための「特定施設」、もう1つは管理者を置くかどうかを決める「汚水等排出施設」です。
どちらの法律の言葉か、何のための区分かを整理します。
特定施設とは、水質汚濁防止法で、汚水や廃液を排出する施設のうち、政令で定められたものです。
特定施設を設置しようとするときは、あらかじめ都道府県知事に届出をします。
特定施設を設置する工場・事業場は特定事業場と呼ばれ、その排出水には排水基準が適用されます。
つまり特定施設は、「排水を規制する対象」を決めるための区分です。
汚水等排出施設とは、公害防止組織法(特定工場における公害防止組織の整備に関する法律)で、特定施設のうち政令で定めるものです。
汚水等排出施設を設置する特定工場では、水質関係の公害防止管理者を選任しなければなりません。
つまり汚水等排出施設は、「公害防止管理者を置く必要があるか」を決めるための区分です。
2つの違いを表にまとめます。
| 項目 | 特定施設 | 汚水等排出施設 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 水質汚濁防止法 | 公害防止組織法 |
| 何を決めるか | 排水を規制する対象(届出・排水基準) | 公害防止管理者を置く対象 |
| 関係 | 汚水等排出施設は、特定施設のうち政令で定めるもの(特定施設の一部) | |
汚水等排出施設は特定施設の一部。特定施設=排水規制の対象、汚水等排出施設=管理者選任の対象、と役割が違う。
これらの施設は、水質概論で「ある施設がどの区分に該当するか」として問われます。
令和5年度 水質概論 問4では、公害防止組織法の汚水等排出施設に該当しないものが問われました。食品製造業の洗浄施設・洗米機・湯煮施設、酸又はアルカリによる表面処理施設は該当し、空きびん卸売業の自動式洗びん施設は該当しないのが答えでした(自動式洗びん施設が対象になるのは酒類・清涼飲料水製造業等)。
「特定施設=排水規制」「汚水等排出施設=管理者選任」という役割の違いと、業種ごとの該当・非該当を押さえておきます。
特定施設と汚水等排出施設のうち、設置すると公害防止管理者の選任が必要になるのはどちらか。
答え:汚水等排出施設(公害防止組織法)
特定施設は、設置の届出と排水基準(水質汚濁防止法)の対象を決めるものです。汚水等排出施設は特定施設の一部で、管理者選任の引き金になります。
特定施設は、どの法律で定められた区分か。
答え:水質汚濁防止法
汚水・廃液を排出する施設として政令指定されたもので、設置の届出と排水基準の対象になります。
自動式洗びん施設が汚水等排出施設として対象になるのは、主にどんな業種か。
答え:酒類・清涼飲料水製造業等
「空きびん卸売業」の自動式洗びん施設は該当しません。令和5年度 水質概論 問4の論点でした。
特定施設と汚水等排出施設は、別の法律の、役割の違う区分です。
特定施設は水質汚濁防止法で排水を規制する対象(届出・排水基準)、汚水等排出施設は公害防止組織法で公害防止管理者を置く対象(特定施設の一部)です。
どの施設がどの区分に該当するか、業種ごとの該当・非該当に注意して覚えましょう。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
ある施設が汚水等排出施設に該当するかどうかが狙われます。
空きびん卸売業の自動式洗びん施設は該当しない(自動式洗びん施設が対象になるのは酒類・清涼飲料水製造業等。令和5年度 水質概論 問4)。